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精神障害者と犯罪①

非常にデリケートな問題ですので、ここで取り上げて良いのか悩んだことですが・・・・

ずっと考えていることなので、あえて書くことにしました。

精神障害者の犯罪について、です。

時々、何かの事件の報道の際に、「精神科への通院歴があり・・・」ということがあります。

病名はあまり明らかにされることはないような気がしますが、精神科病院や精神障害者と関わったことのある人ならなんとなく事件の内容から推測できます。

精神障害者が罪を犯した場合(→触法精神障害者)、どうなるかというと(心神喪失状態とみなされた場合)「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)」(2003年制定、2005年施行)に基づいて、厚生労働大臣が指定した指定医療機関(入院の場合は指定入院医療機関、通院の場合は指定通院医療機関)にて適切な医療を提供し、社会復帰を促進されることがあります。
 
  医療観察法制度の仕組み

以前、精神科病院へ入院中の患者さんがこんなことを言っていたことがあります。

「俺たちは手帳(精神障害者福祉手帳)持ってるから、犯罪犯しても罪にならねえんだ」

ぎょっとしました。

本気で考えているかどうかはともかく、こんなことを平気で口にするのか、と。

事実、その犯人が心神喪失状態を認められれば刑務所へ行かずにすんでしまいます。

このことは、私たち国民や政府、これまでの精神障害者への対策に問題があることを意味します。これらを含めた歴史が彼らにそう言わせているのです。

もちろん、精神障害者の犯罪率は低いですし、低いだけに報道で「通院歴が・・・」と聞くと耳に残ってしまうだけです。

平成22年における一般刑法犯の検挙人員     32万2620人
         内  精神障害者         1326人
             精神障害の疑いのある者  1556人 
            
             →精神障害者等の比率  0.9%

たったの0.9%!

にも関わらず、報道で「精神科への通院歴あり」と聞くと耳がダンボになってしまうんですね。

それは、つまり先日も書いたとおり(→こちらへ)私たちが気づかないうちに持っている精神障害者への差別と偏見がそうさせているということです。

ただし、自分の症状を自覚(→病識)している人ばかりではないことも事実です。

幻聴を幻聴と意識できずに真に受けてしまったり、妄想を妄想と知らずに会話をしてしまったり・・・・

それ故、妄想や幻覚・幻聴に左右された行動をとってしまうんです。
本人は真剣なのに、周囲からみると明らかにおかしな行動になってしまうんですね。

こういったことは、ある程度病気が古い方によく見られます。精神科医療が現在のように「より少ない量で、より副作用がないように」という意識がなかったころに診断を受けた方々です。

つまり、結構年配の方で長期入院されている方に多いということです。

それから、若い方にもやはり精神科へ通院すること自体に抵抗がある人、副作用がつらくて服薬を継続できない人もいます。

もちろん、病識がない人もいます。それは、本人も周囲も、まさか精神疾患だなんて思いもつかない段階です。

そういう人々には、どうして通院が、服薬が必要なのかを理解してもらうように周囲も真剣に努力しなくてはいけません。

他人から言われたことって、人間なかなか受け入れたくないものです。自分が納得できなければ、継続も難しいですよね。

いかに、当事者が自分のことを理解してもらうかが、病識を持ってもらうかが重要なのです。

このことにより、精神障害者の“精神症状”による犯罪は確実に減ります。

もしその“精神症状”を悪用した犯罪に手を染めたのなら・・・・

この判断は非常に難しいことですが、当然のことながら医療観察法ではなく、通常の裁判にのっとって量刑を定め罪を償わなければいけません。

この部分が今の日本では、というより世界中でできていないんですね。

だから、前述のような言葉が飛び出すのだと思います。

もうひとつ、忘れてはならないのが「被害者はどうなるのか?」ということです。

罪を犯した人間は心神喪失状態と認められると、本人は意識がない状態なので罪は問えず、治療に専念し社会復帰を目指しますが、被害者にとっては“加害者が全く罪を償っていない”ことになります。

これは本当に難しい問題です。

犯罪者の人権は守られる(?)のに、被害者の人権が無視されているのです。

どうすれば被害者の人権を守ることが出来るのか。

本当に難しい問題ですが、少なくとも現在の制度では置き去りにされていると言わざるを得ません。

しっかりと考えていかなくてはいけないと思います。


そして、「心神喪失者等」の大きな問題はまだあります。

・・・・が、長くなるのでまた次回に。


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まとめtyaiました【精神障害者と犯罪①】

非常にデリケートな問題ですので、ここで取り上げて良いのか悩んだことですが・・・・ずっと考えていることなので、あえて書くことにしました。精神障害者の犯罪について、です。時...

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そうですね。感情的には理解しにくいですね

こんにちはー
僕もこれはとても気になってました。
猟奇的な犯罪が起こった時、時々「心神喪失状態」で、犯人の責任能力がないので、罪に問えないというような事が起こりますよね。

現在の日本(と言わず、先進国はほとんどなんでしょうけど)の法律では心神喪失状態で起こした犯罪の罪は問えないらしいですね。

法の考え方からすれば、そうなのかもしれませんが、感情的にはなかなか理解できず不条理な法律だと思っています。
法律が間違っているのではないかとさえ思ってしまいます。

大胆?^^;

Re: そうですね。感情的には理解しにくいですね

たける様

きっと多くの方が気になっていることだと思います。

でも「精神障害者」というだけでなんとなく口に出してはいけないような・・・

世界でも「心神喪失状態」が認められると更生ではなく社会復帰を目指すことになります。

犯した罪の重さとか、被害者の人権とか、どこへ行ってしまうのでしょうかね?

私もこの法制度はおかしいと思っています。
意識があってもなくても、被害者がいる以上なかったことにはならないですよね・・・

やっぱり、罪は償うべきだと思います。

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Re: No title

はじめまして。
ご訪問・コメントありがとうございます。

ここでは主に統合失調症に罹患する精神障害者しか取り上げませんでしたが、認知症の方や未成年にも同じことが言えますよね。
わたしも病識の有無に関わらず罪は償うべきと考えております。現在の社会状況のせいで、X 様のおっしゃるとおり宅間守のような精神疾患を悪用する人間がでてきてしまったのです。本当に病状に左右されての犯罪なら、治療をしてからあらためて罪を償うべきだと思います。

ただ、犯した罪に対し、刑罰を課すということは罰を与えるのが目的ではなくあくまで更正させることを目的としています。心神喪失状態では更正させることは無理でしょう、だから治療をしましょう、という考えに基づいたものが「精神障害者は無罪」という考え方です。

しかし、それでは被害者の人権も無視されることになることに変わりはありません。やはり障害に関係なく罪を犯せば必ず償わなければならない、という意識が社会通念になれば、精神障害の悪用も障害者自身もその周囲の人間も、そして法の専門家ももっと障害について真剣に考え向き合うようになると思います。

貴重なご意見ありがとうございました。

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山村福ノ助

Author:山村福ノ助
社会福祉士・精神保健福祉士有資格。現場から少し離れたことによっていろいろなことが見えてきました。

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