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欠格条項の是非を問う③

欠格条項について、障害者のことばかり書きましたが、もちろんそれだけではありません。様々なところで欠格自由というのは存在します。
その中で、障害者問題とは少し違いますが(結局は同じ?)成年後見制度について少し書きたいと思います。
成年後見制度における被後見人・被保佐人であることが欠格事由にあげられているからです。

そして、昨年「成年後見制度における被後見人が選挙権が剥奪されるのはおかしい」という訴訟がありました。

成年後見制度における被後見人、被保佐人は、その区分ごとに様々な不利益から守られる代わりに様々な制限があります。
 
 ①被後見人 → 選挙権、被選挙権の喪失
         国家公務員、地方公務員、教職員、自衛隊員等職業の資格喪失
         校長、株式会社の取締役等に就く地位の喪失
         印鑑登録抹消
 ②被保佐人 → 国家公務員、地方公務員、教職員、自衛隊員等職業の資格喪失
         校長、株式会社の取締役等に就く地位の喪失
         印鑑登録抹消

選挙権はたしかに20歳以上であれば誰もが持つ権利です。
ただ・・・・
後見人を必要とする状態にある人が、本当に投票する相手の主義主張を見定め、自分の意見により近い人を選ぶことができるのでしょうか。

被後見人とは、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」(民法第7条)をいいます。
選挙権を持ち、きちんと判断し、投票ができるのなら、後見人は必要ありません。

被後見人が本当に選挙権を求めているのか、被後見人が選挙権を持つことで誰が得するのかはわかりませんが、そう主張する人々は後見制度の趣旨を完全に履き違えています。
選挙権を行使できる状況にあるなら後見制度は必要ないし、行使できない状況にあるから後見制度が必要なのです。

ただ、残念ながら現状では精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人全てに、必ずしも後見人がいるわけではありません。
また、例えばスマップの木村拓哉が出馬したらほぼ当選確実な今の日本なら、被後見人に選挙権があってもあまり変わりないとも言えるかもしれません。

それでも、知事選の際、精神科に入院していた患者さんが新聞の顔写真を見ながら「この人、いい顔してる。とくにこの眉がこうなってるところがいい」と言って決めていたのを思うと、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人が選挙権を行使することは、やはりおかしなことと思います。


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山村福ノ助

Author:山村福ノ助
社会福祉士・精神保健福祉士有資格。現場から少し離れたことによっていろいろなことが見えてきました。

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